株式会社大村屋酒造場

銘柄酒/「若竹鬼ころし」「おんな泣かせ」
創業180年、島田唯一の老舗酒造会社
地元に根差し守り続けた歴史と伝統に
旧東海道五十三次、23番目の宿場となる島田宿。ご存知の通り、江戸時代を通して大井川には橋が架けられておらず、川越人足に背負われて、あるいは輿に乗って対岸まで渡るしかありませんでした。雨が降ると大井川が増水し、人足による川越も出来ないため、島田宿は雨待ちの旅人たちで、大変な賑わいになったそうです。大村屋酒造場は、その島田宿の中心、最も繁華な本通沿いに蔵屋敷を構えており、そのすぐ近くには、日本三大奇祭のひとつに数えられる、『帯祭り』で知られた大井神社があります。大村屋酒造場の創業は天保3年といいますから、2022年には創業190年という節目の年を迎えることになります。大村屋酒造場の酒造りを指揮するのは、南部流杜氏の資格を持つ日比野哲氏。静岡大学大学院農学研究科応用生物化学修了という、静岡県の酒造りの世界では異色の経歴の持ち主です。大学院に在学中、「松永今朝二会長(当時・社長)に直談判して、卒業と同時に大村屋酒造場に入社させていただきました」と、以前ご本人からお聞きしたことがあります。
『おんな泣かせ』に加え『鬼乙女』
新しいシリーズで魅力増す老舗蔵
大村屋酒造場の酒米の蒸し上がりは早朝の5時半、私の知る静岡県の酒蔵の中では、最も朝のスタートが早い酒蔵です。通常の和釜と甑(こしき)で蒸しあげた酒米は、麹米と酒母仕込み用の酒米として使用されます。大村屋酒造場は仕込みの量が大きい蔵ですので、酒母も最盛期には13本ものタンクで連続して仕込まれます。醪(もろみ)用の掛け米は、自動蒸米機によって次々に蒸し上がっていきます。この蒸米の作業時には松永孝廣社長をはじめ、蔵人が総出で作業に当たりますが、放冷用のコンベアを冷蔵庫の中に通して冷風をあてるなど、独自の工夫や研究成果が随所に見えます。もちろん、こうした工夫は設備だけではなく、酒造りの方法にまで及びます。例えば大村屋酒造場の醪造りでは、一般的にみられる櫂入れ作業を行いません。タンク内の醪に強い力を加えないことで、米粒がつぶれて雑味が出やすくなるのを防いでいるそうです。「静岡らしい濁りのない、きれいなお酒を造るための研究成果です」そう日比野杜氏から教わりました。大村屋酒造場には『若竹』『鬼ころし』という伝統銘柄に加え、『おんな泣かせ』という全国に名の知られた大吟醸銘柄があります。松永孝廣社長の代になり、さらに『鬼乙女』という新しい銘柄が生まれました。春は新酒、夏は生酒というように、春の「夢」から「恋」「幸」そして冬は「涙」と、春夏秋冬、季節ごとにストーリー性のあるラベルで、お酒の季節感を演出しています。『おんな泣かせ』と『鬼乙女』、老舗蔵の魅力がさらに増して行きます。

主要銘柄

品名:おんな泣かせ 純米大吟醸
米(精米歩合):五百万石・山田錦(50%)
酵母:HD-1
日本酒度:+2
酸度:1.4
品名:長い木の橋 純米吟醸
米(精米歩合):吟ぎんが・あいちのかおり(55%)
酵母:NEW-5
日本酒度:+2
酸度:1.4
品名:大井川の詩 純米吟醸
米(精米歩合):(60%)
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:若竹鬼ころし 純米
米(精米歩合):(60%)
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:若竹鬼ころし 本醸造原酒
米(精米歩合):(60%)
酵母:
日本酒度:
酸度:
会社概要
社 名:株式会社大村屋酒造場
住 所:島田市本通1-1-8
連絡先:TEL. 0547-37-3058 FAX. 0547-37-7576
代表者:松 永 孝 廣
杜 氏:日比野 哲(南部)
創 業:天保3年(1832年)
最寄駅:JR島田駅から徒歩約5分。
見 学:要事前連絡