萩錦酒造株式会社

銘柄酒/「萩錦」
勢いよく自噴する清らかな水
県内有数の名水で仕込む酒
私は萩錦酒造を訪れると、真っ先に安倍川の伏流水が滔々と自噴しているポンプ小屋へと向かいます。県内の酒造会社で、仕込み水が自噴しているのは、萩錦酒造と御殿場市の根上酒造店の2社のみ。コップを備え付けてくれていますので先ずは一杯。口に含むと柔らかな舌触り、飲みこんだ後も舌の両脇に甘みが残る、とてもいい軟水なのです。日本は軟水の国です。料亭が出汁をひく時は、鰹でも昆布でも水は軟水に限ります。お米を炊くのも、お茶やコーヒーを淹れるのにも軟水が適しています。そして、日本酒造りにも軟水が欠かせません。軟水とはアメリカ硬度0~60未満の水を指し、60~120未満を中軟水と言います。が、ざっくりと100未満が軟水とおっしゃる方も多いと思います。 なぜ日本酒造りに軟水が適しているかと言えば、軟水の方が酵母の発酵活動を穏やかにさせるからです。現代の日本酒は、低温で酵母の活動をおだやかに長時間行うことで、雑味や濁った香りのないフルーティで綺麗なお酒を造り出します。対して硬水はミネラル分が多く、酵母を活発化させるため米が溶けやすく、お酒に色も付きやすくなります。こうしたことから「酒造りには軟水の方が適している」と言われます。特に静岡型吟醸と呼ばれる酒質には、軟水での仕込みが適しています。
日本有数の清流安倍川の伏流水で醸す
静岡らしいきれいで柔らかなお酒
萩錦酒造が造るお酒は、主張しすぎずお料理との調和を旨とする『静岡型吟醸』の一典型といっていいでしょう。仕込み水は先に申し上げた極上の軟水。安倍川の水は国交省「日本水質ランキング」で連続1位を獲得するなど、環境省「平成の名水百選」にも選ばれています。つまり、数値的にも官能的にも認められた名水なのです。この水を使いお酒を醸す杜氏は、岩手南部流の実力派・小田島健次氏が長く務められました。小田島杜氏は理論派として名高く、全国新酒鑑評会や南部杜氏自醸清酒鑑評会などで輝かしい実績を誇ります。小田島杜氏にお酒造りについて聞くと、「やはり大事なのは、麹でしょうね。麹の出来が良ければ最後まで上手く行きますから。」「萩錦酒造の酒造りは小さなタンクで丁寧に仕込みます。大きなタンクだと途中で調整が効きませんが、小さな造りだときめの細かい調整が可能なので、手を掛けた本当にいい酒が造れます。」そう話してくれました。名杜氏である小田島氏ですが、2018年春の造りをもって杜氏職を引退されました。小田島氏より萩錦の杜氏職を受け継いだのが、先代蔵元の奥様です。実は10年以上にもわたって、小田島杜氏ともに酒造りに取り組み、実質の蔵頭として萩錦酒造の酒造りを支えて来られました。2018年秋の造りからは、一人娘のお婿さんとして迎えた知令新社長も、本格的に酒造りに参加、新しい萩錦酒造の歴史が始まりました。この新しい体制の最初の試金石となった、2019年4月の静岡県新酒鑑評会において、萩錦酒造は純米の部、吟醸の部とも見事入賞を果たしました。古くからの萩錦ファンにとって、嬉しいお知らせだったのではないでしょうか。今後がますます楽しみです。

主要銘柄

品名:萩錦 純米大吟醸
米(精米歩合):山田錦
酵母:静岡酵母
日本酒度:
酸度:

品名:純米吟醸 萩錦
米(精米歩合):山田錦
酵母:
日本酒度:
酸度:

品名:純米吟醸 萩錦
米(精米歩合):山田錦
酵母:
日本酒度:
酸度:

品名:特別純米酒 登呂の里
米(精米歩合):美山錦
酵母:静岡酵母
日本酒度:
酸度:

品名:駿河の生一本 駿河酔
米(精米歩合):誉富士100%
酵母:静岡酵母
日本酒度:
酸度:

駿河の生一本「駿河酔」は、静岡県産酒造好適米・誉富士を100%使用し、安倍川水系の湧水を仕込み水に使い、静岡酵母で醸された、生粋の静岡生まれの純米酒です。駿河の生一本と呼ぶにふさわしい味と香りをご賞味ください。
会社概要
社 名:萩錦酒造株式会社
住 所:静岡市駿河区西脇381
連絡先:TEL. 054-285-2371 FAX. 054-287-7569
代表者:萩 原 知 令
杜 氏:萩 原 郁 子(自社)
創 業:明治9年(1876年)
最寄駅:大浜麻バタ線「西脇」下車、徒歩1分。
見 学:要事前連絡
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