令和3年に就任した戸塚堅二郎社長は、はじめて平喜の岡山工場を見学した際に、酒造りに興味を持ち、そこから酒造り自体を勉強していこうという決意を固めたという、酒造りに対し並々ならぬ情熱を持つ蔵人であり、静岡平喜酒造の杜氏でもあります。創業当初はコンパクトな酒蔵ということで純米酒を中心に高品質にこだわって醸造するというコンセプトがあり、その中でも静岡酵母を中心にした純米吟醸や、静岡の培ってきた静岡吟醸の伝統踏襲にこだわり今日まで研究を重ねてきたといいます。「こだわりは、ざっくり言ってしまえば、品質重視です。歴史があるとはいえ再建してまだ10年経っていないので、基本的に研究のスタンスをくずさないとか、年々進化させていかないと他の蔵元さんに追いつかない部分があるからです。研究するのにも様々なお客様の声を聞くなど、一年も無駄にできないという意気込みで、研究に対する姿勢だけは貪欲にいきたいなと思っています。」と酒造りのこだわりについて語ってくれました。さらに、今後の展望について伺うと、「静岡平喜酒造は、他の蔵元さんのように歴史や、品質で認知されているレベルの高さに比べて、まだまだ認知度が低いと思っていて、平喜の名前は聞いたことがあるけど、銘柄に対する品質の信頼度とかは、これから時間をかけて培わなければいけないと考えています。純米吟醸とか純米酒とか高品質なものだけを造るコンセプトの蔵としてスタートしましたが、もっと静岡平喜酒造の品質の高さを地元のお客様に伝えていきたいという思いがあります。鑑評会や市場での流通や飲食店への露出も、努力が必要だと思います。静岡平喜酒造のお酒は、99%県内で消費されていて、今後も他県の方へ営業していく予定はないので、基本的には地元の方に向けて、より品質の高いお酒を今後も流通させていくことに尽力していきたいと思います。」と情熱的に語ってくれました。静岡市を中心に流通する高品質でフレッシュな地酒「喜平 静岡蔵」を見かけた際はぜひ手に取って欲しいと思います。