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株式会社 神沢川酒造場
銘柄酒/「正雪」
キレのある辛口でありながら
柔らかなまあるい味わいが優しい
静岡を代表する食中酒の一典型
東海道五十三次、16番目の宿場町・由比宿。神沢川酒造場は、由比宿の東の境界となる神沢川の畔に蔵屋敷がある。「神沢川酒造場」と大書された白い煙突は、この町のシンボルです。赤地に白く染め抜いた『正雪』の鮮やかなロゴは、駿河湾沿いを走る東名高速道路や国1バイパス(富士由比バイパス)から望むことできるので、ご存知の方も多いと思います。『正雪』という銘柄名は、由比出身の歴史上の人物、由井正雪からとられています。ご存知の通り、由井正雪は徳川幕府への反乱を企てた『慶安の変』の首謀者。徳川家にとって正雪は反乱分子の親玉ですから、当然のことながら「好ましからざる人物」となります。その反乱者の名前『正雪』を冠した酒は、同じく「好ましからざる酒」ということになります。ただ普通に考えれば、「それは江戸時代のお話で、現代では関係ないでしょ?」ということになります。が、ここでひとつ面白いエピソードをご紹介したいと思います。2015年に『久能山東照宮御鎮座四百年大祭』が斎行されました。こうした記念大祭には、静岡県酒造組合会長のお酒を奉納するのが吉例です。当時、酒造組合会長を務めていた神沢川酒造場の望月社長は「これは困った…」と思いました。「徳川家にとって反乱者の名前を冠したお酒を、徳川家康公を祭る大祭に奉納しても大丈夫だろうか…」と。そこで、久能山東照宮を通じて、徳川宗家に「家康公の大祭に正雪を奉納しても大丈夫でしょうか?」とお伺いを立てたそうです。すると「慶安の変に関しては、お互い和解といたしましょう」との返事を徳川宗家から正式にいただき、晴れて目出度く『正雪』の奉納が実現したそうです。こうしたエピソードは、歴史は今も生きているのだと感じさせてくれて興味深いものがあります。
神沢川酒造場『正雪』の酒造りとは
神沢川酒造の酒造りの要諦は「麹造りにあります」と、望月社長から何度もお聞きしています。実際、「酒造りの8割は麹で決まる」とはよく聞く言葉です。この8割とは、「麹の失敗は後からどうやっても取り返せません。本当に大切な工程だから、敢えて8割という数字をあてているのではないでしょうか」と教えていただいた。麹造りには、酒米の質や気温、湿度を見極めた上で、『洗米→浸漬(限定吸水)→蒸米→放冷→引込み→種切り→切返し→盛り→仲仕事→仕舞仕事→出麹→枯らし』という、いくつもの工程を経てようやく麹米の完成となります。望月社長にどの段階を失敗したら、最もダメージが大きいですか?と質問したことがあります。「どこという事はないですね。例えば洗米・浸漬を失敗して蒸米をダメにしたら、後からはどうやっても取り返せません。麹造りは最初から最後まで一切気が抜けない、やり直しのきかない真剣勝負なのです」と話してくれました。『正雪』は、その名の通り濁りのない、無垢で澄明なイメージを持つお酒。低酸でありながら、飲み手にキレの良さを感じさせてくれる。ただ、単なる“キレの良い辛口の酒”ではありません。『正雪』の代名詞と言っていい柔らかな果実香と、サラリと優しい甘みが、その酒にまるいふくらみを与えています。こうした酒質が、飲み飽きしない酒、お料理の邪魔をせず引き立てる酒、そんな印象を飲み手に感じさせてくれるのだと思います。
主要銘柄
品名:正雪 吟醸
米(精米歩合):山田錦(50%)
酵母:
日本酒度:+5.5
酸度:1.3
品名:正雪 純米
米(精米歩合):豊錦(60%)
酵母:
日本酒度:+4
酸度:1.3
品名:正雪 本醸造
米(精米歩合):豊錦(60%)
酵母:
日本酒度:+6
酸度:1.2
品名:
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:
会社概要
社 名:株式会社神沢川酒造場
住 所:静岡市清水区由比181
連絡先:TEL. 054-375-2033 FAX. 054-375-2133
代表者:望 月 正 隆
杜 氏:榮 田 秀 孝
創 業:大正元年(1912年)
最寄駅:JR蒲原駅から車で約3分。徒歩約15分。
見 学:要相談
http://kanzawagawa.co.jp/