富士高砂酒造株式会社

銘柄酒/「高砂」
浅間大社ほど近くの風情ある蔵屋敷
柔らかな富士の水を活かした酒造り
富士山の神水の湧く『湧玉池』のすぐ傍らに造営された、現在の富士山本宮浅間大社の本社殿。そのほど近くに、富士高砂酒造の蔵屋敷があります。蔵の前を通る県道414号線は、国道139号が開通するまでは朝霧・山梨方面へと向かう主要道路として賑わいました。富士宮市は浅間大社の門前町としてだけでなく、物資の行き交う要衝の町としても栄え、富士高砂酒造の広い蔵屋敷の中、手入れの行き届いた幾棟もの蔵が建ち並ぶ様子を見ると、往時からの繁盛が今も続いていることが分かります。浅間大社境内の湧玉池は、国の特別天然記念物に指定されており、年間を通して毎日約20万トンもの水が湧き出ています。水温も1年を通して13℃前後で安定しており、平成20年には『平成の名水百選』にも選ばれました。富士高砂酒造の仕込み水ももちろん、この富士山の伏流水を使用しています。富士山の玄武岩によって磨かれた伏流水を、深さ28mの井戸から汲み上げ、『高砂』の仕込み水としています。水質は硬度40前後の軟水、酵母を穏やかにゆっくり発酵させるのに適した水です。この水で仕込まれた富士高砂酒造の酒質は、すっきりとした辛口の製品が多いという印象ですが、柔らかな水の特徴なのか、その後口は優しく少し甘く感じる酒質です。
観光蔵としても楽しめる見学コース
試飲コーナーのある店舗もお薦め
富士高砂酒造は1820年(文政年間)、近江商人であった初代山中正吉が創業し、1831年(天保2年)に現在の地に酒蔵を構えたのが始まりだそうです。近江商人と言えば売り手よし、買い手よし、世間よしの『三方よし』が有名ですが、当時の屋号『中屋』の大きな刻書看板が、今も店内に飾られています。明治26年(1893年)、二代目正吉の時代に神仏分離による廃仏毀釈の嵐が吹き荒れます。富士山に祀られていた仏像がお堂から引き出され、そのまま打ち捨てられていると聞いた正吉は、夜半有志と共に富士山へと向かいます。そして、破壊を免れた仏像を探し出しひそかに持ち帰ると、酒蔵の屋根裏に隠しました。その折の仏像は現在も高砂酒造の薬師蔵の2階に祀られており、蔵見学の際にお参りすることができます。富士高砂酒造では日に4回、決められた時刻に蔵見学のプログラムが用意されています。この見学プログラムはお酒の仕込み時期にも開催されているため、蔵人の作業の様子やその空気感、醪の香りなどを感じることが出来ます。仕込み中の蔵内を、これほど間近に見学出来る酒蔵は滅多にありませんので、冬から春にかけての仕込み時期、事前予約の上ぜひ訪れてみてください。また、蔵内に整備された店舗にもぜひお立ち寄りいただきたい。その充実ぶりは、県内酒蔵随一といっても良いと思います。また試飲コーナーもありますので、蔵の方からのお話を聞きながら、お好みのお酒を探すことが出来ます。そして、一般には販売されていないお酒と出会えるのも、酒蔵の直売所を訪問する楽しみです。私が訪問した時には、本数限定の生酒などが用意されていましたので、「ここだけで買えるお酒はありますか?」とぜひ聞いてみてください。季節の限定品など、特徴のあるお酒に出会えるかもしれません。

主要銘柄

品名:高砂 山廃純米 ひやおろし
米(精米歩合):山田錦(55%)
酵母:NEW-5
日本酒度:-4
酸度:

品名:高砂 山廃純米
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:

会社概要
社 名:富士高砂酒造株式会社
住 所:富士宮市宝町9-25
連絡先:TEL. 0544-27-2008 FAX. 0544-23-1752
代表者:山 岸 逸 人
杜 氏:小 野 浩 二(自社・能登)
創 業:天保元年(1830年)
最寄駅:身延線富士宮駅から車で約5分。徒歩約15分。
見 学:無
http://fuji-takasago.com/