君盃酒造株式会社

銘柄酒/「君盃」
戦後復興の機運の中で創業した
静岡市街地に最も近い地酒蔵
旧東海道の府中宿(静岡市街)から西へ、安倍川餅で有名な弥勒から安倍川橋を渡った、手越の街道沿いに君盃酒造はあります。間口が狭く奥行きが深いという、街道沿いの建物特有の敷地のため、ここに酒蔵があると気づかない人も多いようです。君盃酒造は間口こそ6間ほどですが、奥に行くほど広くなり、洗米場や釜場、仕込み蔵、保管蔵などが並んでいます。仕込み水は蔵からほど近くを流れる安倍川の伏流水。安倍川は標高2千メートルの大谷嶺に水源を持ち、国土交通省が実施する水質検査で、何度も日本一に選ばれている清流。酒類の研究者の方からも、安倍川の伏流水の水質は、酒造りの仕込み水としてとてもバランスが優れているとお聞きしたことがあります。君盃酒造は、戦後間もない昭和25年創業と、比較的新しい酒蔵です。静岡市は昭和20年8月の終戦までに、26回もの空襲にさらされ、市街地のほぼ全てが焼け野原となっていました。また、戦時中は米穀の統制が厳しく、酒造りを行える状況ではありませんでしたし、当時の大蔵省の命令により、多くの酒蔵が統廃合させられる暗い時代でした。君盃酒造が創業した昭和25年の日本は、戦後復興の機運の中、折しも朝鮮戦争が勃発、ここから昭和30年代の高度経済成長期へと、一気に華々しい発展を遂げていきます。
父と息子が少量を丁寧に醸す旨い酒
静岡市街で大半が消費される定番酒
君盃酒造では外部の杜氏をおかず、市川誠司社長と息子の英俊さんが中心となって酒造りに取り組んでいます。父と息子、まさに親子鷹での酒造りですが、お二人ともとても優しい穏やかなお人柄です。しかし、その醸す酒はかなりの辛口。初めてそのお酒を飲んだとき、穏やかな二人の印象と辛口の酒の印象が一致せず、かなり驚いた記憶があります。実は君盃酒造のお酒は、開封後の変化が楽しいお酒でもあります。最初、辛口だね!と感じたお酒が、日を追って角が取れ円く変わっていく。この変化はとても楽しいものです。こうしたお酒の性質が関係するものなのか、君盃酒造は「ひやおろし」のお酒が、実に良いとの評判をお聞きします。夏の盛りを過ぎた頃、店頭に並びだす『君盃 もみじ 純米吟醸ひやおろし』を、ぜひお試しいただきたいと思います。ひと夏熟成させた数量限定の生原酒です。「とろりとした…」と表現したくなるほど味の乗ったお酒ですが、濁りのないキレの良さもあり、秋、冬の濃厚なお料理に合わせるのに申し分ありません。安倍川の伏流水の素性の良さも、こうした酒質に影響を与えているのではないでしょうか。紅葉が描かれたラベルが目印です。

主要銘柄

品名:君盃 純米吟醸
米(精米歩合):美山錦(50%)
酵母:
日本酒度:+1.0
酸度:1.2
品名:君盃 大吟醸
米(精米歩合):山田錦(40%)
酵母:M-310
日本酒度:+3
酸度:1.2
品名:君盃 もみじ 純米吟醸 ひやおろし
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:天領の瀧 純米酒
米(精米歩合):美山錦(55%)
酵母:
日本酒度:+2
酸度:1.2
品名:めぐりあい 特別本醸造
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:特別本醸造 木枯の森
米(精米歩合):日本晴(60%)
酵母:協会901号
日本酒度:+5
酸度:1.2
会社概要
社 名:君盃酒造株式会社
住 所:静岡市駿河区手越302
連絡先:TEL.054-259-3062 FAX.054-256-3062
代表者:市 川 誠 司
杜 氏:市 川 英 俊(自社)
創 業:昭和25年(1950年)
最寄駅:JR静岡駅から車で約10分、徒歩約30分。
見 学:無