万大醸造合資会社

銘柄酒/「あらばしり」、「萬耀」
伊豆半島唯一の酒蔵として
常にこの地ならではの酒造りを想う
東名沼津ICから伊豆縦貫自動車道へ。伊豆中央道、修善寺道路を介して修善寺ICに到着。少し前までは、沼津や三島の渋滞を抜け、下田街道をひた走ってようやく修善寺に到着…だったことを思うと、本当に修善寺が近くなりました。伊豆箱根鉄道駿豆線の終着駅である修善寺駅から車で約10分、伊豆市年川(としがわ)に伊豆半島唯一の酒蔵、万大醸造合資会社があります。狩野川の支流・大見川へと合流する年川沿いの谷合の地、万大醸造はこの年川によって形成されたであろう、高さ10mほどの段丘の上に建っています。その姿は何度見ても難攻不落の砦のような印象です。先ほど、万代醸造を「伊豆半島唯一の酒蔵」と紹介しましたが、戦前、伊豆には何軒もの酒造会社、造り酒屋があったそうです。先代の佐藤守令社長から「修善寺周辺だけでも3、4軒の酒蔵があったらしい」とお聞きしたことがあります。戦後の伊豆半島には東洋醸造(大仁)、旭化成大仁工場という酒造会社が存在し、『菊源氏』という銘柄のお酒を造っていました。透明な四角いガラスびんに菊源氏の白い文字が描かれていました。「懐かしい…」と思われる方もいらっしゃると思います。今は東洋醸造も旭化成大仁工場も閉鎖され、万代醸造が伊豆半島唯一の酒蔵となりました。
一見のお客様を満足させる難しさ
観光地の酒蔵ならではの緊張感
万大醸造は『豊楽』『萬燿』といった自社銘柄だけでなく、『脇田屋』『坦庵』『韮山』といった伊豆の歴史と共にあった銘柄を継承しています。また、乙類焼酎の酒造免許を所有することから、本格粕取り焼酎『鬼の念仏』や、『わさび酒』『ニューサマーオレンジ酒』など、伊豆の特産品リキュール酒も製造。伊豆という観光地の酒蔵として、他の県内酒造会社とは異なる特徴的な商品ラインナップとなっています。万大醸造の酒造設備は蔵の建つ段丘の傾斜を活かし、上段に洗米や蒸し米、製麹の設備を配置、中段には醸造タンクや上槽設備、下段には焼酎の低圧の単式蒸留設備やビン詰工場、倉庫・出荷設備が配置されています。高いところから低いところへ、作業にそった合理的な設備配置です。伊豆は日本有数の観光地であり、海の幸、山の幸といった地元美食との関係は切っても切れません。そこには伊豆の地酒蔵としての難しさ、緊張感を常に感じるそうです。「仕込み水は宇佐美火山帯の清浄な年川湧水、とても柔らかな伏流水です。また、この水とは別に西伊豆町大沢里の深層水も使用しています。ジオパークである伊豆らしい非常に特徴的な水で、天城山系の地下1000m、硝酸性窒素が限りなくゼロに近く、全有機炭素濃度も極めて低い圧倒的に純粋な水です。」伊豆は地質的にも特徴的であることから、その水の良さを活かすことが至上命題だという。「うちのお酒は、伊豆の海山の幸を使った料理の邪魔をしないキレイな飲みくちと、料理の味にふくらみを出せるよう心がけています。」と佐藤智昭社長。国内だけでなく、海外からの観光客が多く訪れる伊豆半島。一見のお客様をいかに満足させるか。その工夫や改善は尽きないと言います。

主要銘柄

品名:萬耀
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:

品名:鶴生
米(精米歩合):
日本酒度:
酸度:

品名:あらばしり
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:

会社概要
社 名:万大醸造合資会社
住 所:伊豆市年川34
連絡先:TEL. 0558-72-0055 FAX. 0558-72-9550
代表者:佐 藤 智 昭
杜 氏:伊 奈 静 夫(伊豆)
創 業:昭和10年(1935年)
最寄駅:伊豆箱根線修善寺駅から車で約5分。
見 学:無
https://izu-bandai.com/