静岡の地酒「静岡県酒造組合」 富士山、天城山地、南アルプスの名水で醸す静岡の地酒を蔵元情報と共にご紹介。日本酒の良さ、日本酒文化を多くの方に伝えたい。
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インターナショナル・サケ・チャレンジ

しずおか酒造りの風景


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インターナショナル・サケ・チャレンジ
インターナショナル・サケ・チャレンジ

第11回 静岡県地酒まつりin東京

第22回 静岡県地酒まつりin静岡

日本酒で乾杯推進会議
日本酒で乾杯推進会議

第2回インターナショナル・サケ・チャレンジ
三和酒造、杉井酒造が最高賞トロフィーを受賞。三和酒造は2年連続最高賞。



 2007年7月に第1回が行われた「International SAKE Challenge(以下、ISC)」が、今年7月8日に2回目の開催を迎えました。ISCの目的は、「国際市場における日本酒に対する理解および認識を向上させ、流通と販売を促進すること」にあります。そのため、審査員は日本人16人、海外のワイン・エキスパート16人が一堂に会し、国内と海外、両方の視点から審査を行います。高レベルの利き酒師とワインテイスターとが肩を並べて日本酒の審査をするという点が、国際的なコンテストとしての妥当性と信頼性を示しています。
 ISCの審査では、「大吟醸」「純米大吟醸」「吟醸」「純米吟醸」「純米」「生もと及び山廃」の6部門における市販酒が対象となります。2回目となる今年のコンテストには、日本全国の蔵元から200点以上の応募があり、審査の結果、6つの部門ごとにトロフィー6種、金賞16種、銀賞49種、銅賞64種、推奨賞56種が選出されました。各部門とも、東北勢を中心とした銘酒が軒を連ねる中、静岡県の蔵元としては、大吟醸の部で三和酒造「臥龍梅 大吟醸」が、吟醸の部で杉井酒造「杉錦 吟醸EXTRA」が最高賞のトロフィーを受賞しました。三和酒造は昨年のコンテストでも純米大吟醸の部で同賞を受賞しており、2年連続での快挙となります。

 三和酒造の酒造りは、「静岡型」と呼ばれる淡麗で綺麗な酒のタイプにこだわることなく、蔵元・鈴木社長の信じる酒質を追求しています。その酒質を一言でいえば、「華やかな酒」。それは、鈴木社長が現代の食生活、現代人の味の好みにマッチする酒を追及し辿り着いた結果でした。そうしたコンセプトに基づき生まれた酒が、2年連続トロフィー受賞酒である「臥龍梅」です。醸したのは南部の長谷川杜氏。現在、海外ではクール・ジャパンといわれ、「日本らしさ」という価値を持った文化や、プロダクトが高く評価されています。外国人審査員が半数を占めるISCにおいて、2年連続高い評価を得たということは、今後の海外展開を考えた場合、大きなひとつの力になるのではないかと期待されます。

 今回、初出品でトロフィーを受賞した杉錦酒造の杉井社長は、自らが杜氏を務める蔵元杜氏。手間を惜しまず納得のいく酒造りを目指す、非常に研究熱心な蔵元として知られています。その酒造りは、静岡酵母を用いた「静岡型」の追求と研究であり、新たに山廃造りに挑戦するといった、創意工夫に溢れたものです。トロフィーを受賞した「杉錦 吟醸EXTRA」は、山田錦を40%まで精米し静岡酵母で醸した吟醸酒を、2年間低温熟成させたもの。静岡型吟醸らしい優しさに、熟成による力強さ、キレが加わった酒です。杉井社長は、今後も静岡型の可能性を追求したいと語ってくれました。



 ISCは、市販酒によるコンテストということから、非常に消費者の目線に近いコンテストだということができます。また、「大吟醸」「純米大吟醸」「吟醸」「純米吟醸」「純米」「生もと及び山廃」という審査セグメントは、これから日本酒を飲んでみようかなと考える、新しい日本酒ユーザーの購入に際しての目安、分かりやすさを提供するものとなりそうです。ISCはまだ2回目の開催と歴史も浅く、知名度も決して高くありませんが、日本酒離れが懸念される今、こうした“より一般の消費者に近いコンテスト”は、非常に重要な役割を負っていくであろうと考えられます。