静岡の地酒「静岡県酒造組合」 富士山、天城山地、南アルプスの名水で醸す静岡の地酒を蔵元情報と共にご紹介。日本酒の良さ、日本酒文化を多くの方に伝えたい。
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静岡県の酒蔵会社と蔵元の紹介

しずおか酒造りの風景


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インターナショナル・サケ・チャレンジ
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第11回 静岡県地酒まつりin東京

第22回 静岡県地酒まつりin静岡

日本酒で乾杯推進会議
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國香酒造株式会社(2)

静岡型吟醸の伝統を守り続ける三蔵のひとつ。
一杯、また一杯と盃がすすむ酒。


▲酒袋に入れた醪(もろみ)を搾る酒槽(さかぶね)。酒に酒袋の匂いが移らぬよう、袋を徹底的に洗うという。手前は垂壷(たれつぼ)をセットする窪み。


▲酒袋の自重によって最初に搾り出される酒が荒走(あらばしり)。酒槽は時間を掛けて少しずつ、少しずつ、丁寧に酒を搾る伝統的な方法。最終段階で圧をかけて搾ることを「責め」という。

──ご自身で杜氏をなさるというのは、体力的にも厳しくて、大変だと思うのですが?

 そうですね。でも私の場合、若い頃から酒屋に修行に出されて、22、3歳頃から酒蔵に入りました。ですから酒造りも分かっていたし、現場にもすぐに馴染めたので、それほど抵抗はなかったけどね。

──水はどこのものを使っているのですか?

 南アルプス水系の水で、井戸から汲み上げています。もちろん軟水ですよ。

──それではお米は?

 主に富山県、兵庫県の五百万石、その他の酒造好適米です。

──國香さんといえば、静岡型吟醸の造りへのこだわりが有名ですが、社長は静岡型吟醸をどうお考えですか?

 そうですね。柔らかで綺麗で軽く、口に含むと香りが広がり、爽やかな酸味のある味。飲み飽きのしない酒。
 静岡型吟醸としての酒造りは、静岡酵母生みの親、河村先生の教えで、酒の搾りかすを70〜80%残すようにしています。コストがたとえ上がっても、これを守りアルコールは17%〜17.8%。ここの造りの部分で静岡型吟醸としての差別化ができるんです。コストより味。糖質と発酵のバランスが決めてなんですね。米は7〜8時間かかって溶けるくらいがベスト。
 でも、この静岡型吟醸の酒造りをそのまま守っているのは、静岡全体の蔵元で現状10%にも満たないんじゃないですかね。全国の酒蔵と同じ酵母で作る酒が、純粋な静岡型吟醸といえるのか、疑問ですね。

──静岡型吟醸の質のこだわりは、静岡酵母の特性をいかに生かすかという造りへのこだわりでしょうか?

 そればかりではないですよ。重要ではありますが、酵母だけで酒ができるわけではないですから。
 でも正直いって、純粋な静岡型吟醸は今の鑑評会でいい成績をとれるような酒ではないですね。優しさ、柔らかさが静岡らしさというなら、鑑評会に出品されるお酒は香りを強くしたまったく別のものですから。今はそういう酒でないと賞はとれないんです。その辺りを意識しすぎると、静岡型吟醸の本来の良さがあいまいになってしまう。皆同じような酒になってしまったら、広い意味でいえば日本酒ファンをなくしてしまうのではないかという気がします。

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