今日を一日頑張った人が、心から「旨い!」と思える酒を造りたい。
▲「あらばしり」を手にする佐藤社長(現・会長)。精米歩合70%、辛口ですっきりした呑みごたえのある酒。1升1,600円、4合700円という価格は、多くの人に飲んでもらいたいという、社長の心意気の表れから。
──その「あらばしり」というのは、どんなお酒なのですか?
あらばしりというのは、荒走りといって、酒を搾る時に最初に出てくる酒のことです。
地元の米とここ年川の水を用いて、20日間寝かせてできたもの。至って普通の造りの本醸造なんですが、常温でも良し、燗にしても良し、おまけに価格良し(笑)。
──本醸造なんですね。毎日晩酌される方から、旨い本醸造が本当にありがたいとよく聞かされます(笑)。
そう、先ほどから気になっているのですが、あれがお寺さんから移築された建物ですね。
そう。庫裏は縁あって近くのお寺から移築してきたもの。「鶴生館」と名づけ、ここを訪ねてくれたお客様方の憩いの場所になるようにと。ここで造った酒を全部並べて、ちょっとした展示場風に。もちろん試飲できます。
出土品の展示、のんびり寛げる広い座敷もありますから、近くの宿から酒蔵見学を頼まれた時にも利用してますね。伊豆の酒を知ってもらいたいし。
──社長のお酒へのこだわりとは?
健全な材料に健全な酒造り。健全にできたものは身体にもいい。それが全てですね。
──ありがとうございました。
(取材日:2007年7月26日)
【万大醸造よりのお知らせ】
〜試飲処「鶴生館」閉館のご案内〜
平成16年4月の開館以来、皆さまにご愛顧いただいた試飲処「鶴生館」を、平成20年3月一杯の営業を持ちまして閉館させていただくこととなりました。
伊豆唯一の蔵元である万大醸造の酒造りは、新規企画を加え益々発展するように努力して参りますので、相変わらずごひいきの程よろしくお願い申し上げます。