静岡の地酒「静岡県酒造組合」 富士山、天城山地、南アルプスの名水で醸す静岡の地酒を蔵元情報と共にご紹介。日本酒の良さ、日本酒文化を多くの方に伝えたい。
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しずおか酒造りの風景


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インターナショナル・サケ・チャレンジ
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第11回 静岡県地酒まつりin東京

第22回 静岡県地酒まつりin静岡

日本酒で乾杯推進会議
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▲高く積み上げられた石垣の上に建つ万大醸造。まるで、古の豪族の館や、城郭跡を思わせる佇まい。

万大醸造合資会社(1)

住所/伊豆市年川34
銘柄酒/「あらばしり」、「萬耀」
≫所在地

 緑濃く、川面きらめくのどかな温泉町、修善寺温泉郷のはずれ。ぐっと上った坂道に城跡かと見紛う立派な石垣が見えてくる。その向こうに「万大醸造」の大きな文字の煙突が、青空の中に堂々とそびえていた。門を取り囲む大きな木々は、どんな歴史をその幹に刻み込んできたのだろう。ただ静かに涼風にあおられている。
 そんな伊豆で唯一の蔵元である、「万大醸造」の佐藤守令社長(現・会長)にお話を伺った。

今日を一日頑張った人が、心から「旨い!」と思える酒を造りたい。


▲敷地の高低差をうまく利用した仕込み蔵。高い位置に洗米・蒸し工程を配置し、傾斜に沿って麹→酒母→醪(もろみ)→搾り→貯蔵と、各工程が順次並ぶ。

──ずいぶん立派な石垣ですが、戦国時代の豪族の館みたいですね。

 昔はそうだったかもしれませんよ。実際のところ、いつから始まったのかわからない、不詳ですね。この一帯が火事の被害に遭って、記録が何も残っていないもんですから。
 ただ、お寺の庫裏を敷地内に移築した時に、地中から石器や土器やらたくさん遺物が出てきたことからすれば、先祖が長いことこの地にいたのは間違いないでしょうね。

──周りには水田、狩野川も流れていて、水の豊かな土地という印象です。
 こちらの仕込み水は、どちらのものを使っているのですか?

 ここは天城山から狩野川、伊豆半島の宇佐美火山帯からの水が年川に流れてくる。うちでは、4kmほど上流の湧水地から水を引いてるんですが、素晴らしい水です。昔々この水を使って酒を造り、伊豆から小田原に君臨した北條早雲に献上したのが始まりだったのではないかと思います。
 戦前は、この辺りにもたくさんの酒蔵がありました。でも戦争末期に行われた酒蔵整備のために、たったひとつここだけが残ったんですよ。

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