静岡の地酒「静岡県酒造組合」 富士山、天城山地、南アルプスの名水で醸す静岡の地酒を蔵元情報と共にご紹介。日本酒の良さ、日本酒文化を多くの方に伝えたい。
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静岡県の酒蔵会社と蔵元の紹介

しずおか酒造りの風景


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インターナショナル・サケ・チャレンジ
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第11回 静岡県地酒まつりin東京

第22回 静岡県地酒まつりin静岡

日本酒で乾杯推進会議
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駿河酒造場(2)

新しい建屋で駿河酒造場としての新たな酒造りに挑戦する

 取材にうかがった時期は、新しい蔵での試験醸造の真っ最中でした。移設した酒造設備の具合や作業動線など、実作業を通して検証しています。
「本番の仕込が始まってしまうと、問題があってもどうにもなりませんから」。と萩原社長が教えてくれた。

 左が駿河酒造場の蔵元、萩原社長です。すごく優しい、飄々としたお人柄ですが、作業を見つめる眼光は、さすがに厳しい。

 社長の後ろは、汲み上げた井戸水(安倍川の伏流水)を貯めておくタンク。当たり前の事ですが、酒造道具を洗う水も、酒を仕込む水も同じものを使います。そのため、酒造りには大量の水が必要となります。

名杜氏から薫陶を受けた小林和範杜氏が造りの指揮をとる



 右上は、駿河酒造場の小林和範杜氏。前任の小田島杜氏から、杜氏職を引き継ぎました。南部流の小田島杜氏は理論派で知られ、華々しい実績を誇る名杜氏として有名です。小林杜氏は、この小田島氏から直接薫陶を受けた直系の弟子。師である小田島杜氏とも連絡をとりながら、新しい蔵での仕込みに挑んでいます。

 写真の部屋は真新しい麹室。この日も徹底的に室を磨き上げていました。どこの蔵であっても、麹室に入らせていただく時は気を使います。私の場合、カメラや三脚なども除菌したものを持っていきます。無論、納豆を食べて…なんて論外です。小林杜氏も新しい麹室にかなり神経をお使いのようでした。

 右下は新しい醸造蔵の様子。掛川の頃の蔵はかなり古い建物でした。それはそれで趣のある佇まいでしたが、温度管理などの面では苦労されていたのではないかと思います。新しい蔵では、空調設備により温度管理が精密に行えます。この新しい環境に、新進気鋭の新杜氏が加わり、どんな酒が醸されていくのか。来年の新酒の時期が、いまからとても楽しみです。

(取材日:2010年)