素材や料理の邪魔をせず、引き立て、調和する酒を。
▲平成19年の七夕まつり当日、ミーティング後に記念撮影。前列中央、緑のTシャツの方が松永社長。皆さん、とても仲が良く、活気にあふれた様子でした。
──なるほど。大村屋さんというと、「おんな泣かせ(純米大吟醸)」が全国的に有名ですが、個人的にはもう一方の、「若竹 鬼ころし」の本醸造系がとても馴染み深くて。
本醸造は普段飲みの酒だから、常温でも燗でも旨い酒。普段、普通に飲んで普通に旨いと思っていただける酒。それが、一番大切なことだと思っています。「若竹 鬼ころし」はちょっとゴツイ系で辛口ですが、米の旨味がちゃんと生きている酒に仕上げています。
──お米のお話がでましたが、大村屋さんでお使いの米は。
県外産の米と、県内産の米が半々ですね。県内産では「五百万石」「あいちのかおり」です。若手の農家が中心となって、酒米作りに取り組んでくれていますので、頼もしいですね。
あと、県で開発した酒造好適米・誉富士も楽しみです。誉富士を使った「竹の風(純米吟醸)」という商品もあるんですよ。
──以前、試飲させていただきました。味はあるけど名の通りサラリとしていて、優しい爽やかな印象のお酒でした。
そういえば、その時、社長からお聞きしたのですが、随分と輸出が伸びているそうですね。生産量の3割くらいが輸出されているとか。
▲事務所の2階は展示スペースとなっている。
うちは日本名門酒会を通して、主にアメリカへ大吟醸など高級酒を輸出していますので、その品質を落とさないための輸送手段や、現地での保管・流通などの整備が不可欠です。また、アメリカは州によって税法が異なりますので、そうしたことにも対応できる、しっかりとした現地商社が必要なんです。
お陰様でニューヨークでWAKATAKEといえば、高級日本酒というふうに浸透してきました。ワインやビール、スピリッツとは違う、「新しい酒」として受け入れられているようです。
──今後、ますます伸びが期待できますね。最後に日比野部長の抱負をお聞かせください。
そうですね、日本酒は米の酒なんだから、しっかり米の味が生きた酒を、これからも造っていきたいと思います。
それと、やはり私は「食」への興味がとてもありますので(笑)、親子参加型のイベントなどを企画し、「食育」という分野でも貢献できればと思っています。
──本日は、ありがとうございました。
(取材日:2007年8月17日)