地域密着で、地元で愛される酒を造り続けたい。
▲和釜での蒸米の様子。お米のいい香りが漂います。
──ところで、こちらはいつ頃から創業を開始されたのですか?
明治9年(1876年)創業になります。
水が豊富なこの場所で初代萩原新吉がこの資源を生かし酒造りをはじめたと聞いています。
──お母様が杜氏をされていると伺っているのですが?
20年以上萩錦で杜氏をしていただいていた南部杜氏の小田島健次さんに教わりながら副杜氏として母も酒造りに関わっていた経験から私や妻が戻って新体制になるタイミングで杜氏になりました。3年間は小田島杜氏から私たちも直接指導を受け、今後は新たな世代で製造責任が取れるよう準備をしているところです。
──ではお酒造りは家族だけでおこなっているのですか?
基本的には酒造りだけでなく、出荷や瓶詰め事務作業や配達などの全てを現在は家族でおこなっています。
冬の造りの期間にアルバイトで1名蔵人さんに来てもらうこともありますが年によって違いますね。
──大変ですね! 現在新しい世代に変わり、力を入れてらっしゃるお酒は何ですか?
▲蒸しあがった麹米を甑から移動する様子。
蔵に入った頃はお客様に馴染んでいただいていた萩錦の味の再現や小田島さんから教わった静岡酵母での吟醸造りなどを吸収することを第一に造りをしていました。先代の吉隆社長が亡くなった年の冬からは、やはり少しづつですが意識が変わり自分たちが大切にする萩錦らしいお酒を創造しなくてはと考え、他の蔵元さんや杜氏さんに教わりながら今まで造ってこなかったお酒にも挑戦しています。